LED 発光素子が故障したため廃棄処分となったLED照明器具はありませんか ? 蛍光灯器具から省電力・長寿命といわれ 蛍光灯の球切れを好機に LED照明に交換された方も多くおられると思います。当方もしかりです。この10年あまりLED照明が増加しました。球切れのないといわれたLED電球もある日突然消えました。どのような構造で故障原因の確認のためLED照明器具を分解しました。
上図は我が家のリビングに取り付けていた8畳用LEDシーリングライトです。以前より時々発光素子がちらつきが発生していました。壊れる前の兆候でした。ある日突然点灯しない症状がが発生し 取り外して乳白色のシェードとLED光源拡散板を外したところです。以前蛍光灯シーリングライトであったのをLEDシーリングライトに交換した機種です。発光素子であるLEDを覆うように乳白色の拡散板が取り付けられていましたが取り外しています。LED照明の寿命は 40000時間とのうたい文句の機器です。通常に使った場合10年ほど使えるということでしたが 照明機器の製造年度を確認すると 2016年と判明しました。まだ6年ほどしか使用していません。ちょっと寿命が早いと思いますが。
上図はLED発光素子の拡大画像です。黒色のマジックでドットマークがあるところが不良となっている個所です。この機種では昼光色高輝度発光ダイオードの数を勘定すると 合計90個と常夜灯の発光ダイオードが1個使われています。不良個所の確認作業ですが道楽部屋工作室にある自作可変定電圧電源装置を使って点検しました。
上図は定電圧電源装置から DC:15V 程度に調整し 直列に1KΩの抵抗を接続してLED発光素子に接続して点検です。画像では画像中央付近に黒どっとマークのLEDが点灯していないのが判明します。この機種は90個のLEDが円形に配列されていましたが 3個のLEDが並列接続されており 3個並列接続されたダイオード群が 30直列接続されているのが判明しました。なぜ点灯しなかったのでしょうか。それは3個並列接続された部分が3個とも電流が流れない故障となったため 回路電流は流れません。そのため不点灯となったわけです。
上図は白色チップ型高輝度発光ダイオードです。品番は SMD5730型です。規格は0.5W型であり 単体に流せる電流は仕様書によると 150~180mA ほど流すことができます。製造メーカーにより電流値は異なりますが 150mA として取り扱います。長辺長さ 6mm ,短辺長さ 3mm ,高さ約 1mm の非常に小さい発光素子です。発光ダイオードに加える電圧は VF として 3.3~3.6V 程度です。この電圧に直列接続した数を掛け算すれば供給電圧が求まります。3.5V とした場合 105Vの電圧で動作していことが判明します。電源部は照明部の裏側に組み込まれた AC-DC コンバーターで約100V前後の電圧が発生します。この機種はリモコンで 照度変化は 2段階と常夜灯の3種類で点灯する構造です。故障時常夜灯のみ点灯が可能でした。このことからスイッチング電源は故障していません。昔でいうLED電球(発光素子)の球切れと同じです。
この器具の規格が銘板に記載されていました。AC:100V 50/60Hz 0.41A の表示です。P=E・IcosΦですので 力率が100の場合の電力は 100V×0.41A=41W と計算できます。LED単体は0.5W型ですので 0.5×90個=45W と計算できました。ほぼ消費電力と一致します。3個並列接続された発光ダイオードですが 3個のうち1個でも切れた場合 オームの法則により合成抵抗値は増加します。流れる電流が同じとした場合 発光ダイオード1個当たりに流れる電流は増加します。ということは1個故障したため残りの発光ダイオードには通常状態より多くの電流が流れます。となれば生きていた発光ダイオードは過大電流で故障率が上がり 最終的には3個並列接続された発光ダイオードは全数全滅 オープン状態ですので 回路電流は流れないため不点灯となったわけです。ということは一個でも故障が発生すれば 動作している発光ダイオードも故障しやすくなっているわけです。これが点灯時一部の素子がちらつき現象が現れた場合 故障前症状といえます。
次項目として故障した発光ダイオードを新しい発光ダイオードに交換作業に進みます。
上図はマクロ撮影時のピンボケ画像です。ご勘弁ください。
この発光ダイオードはチップ部品で従来から存在するリード線のついた砲弾型LEDとは異なり 今回交換するチップ型発光ダイオードの交換作業の難易度は高くなります。 参考程度の記述とご理解ください。この基板はチップ部品をリフロー炉でクリームハンダ付けされている構造であり 故障したチップ部品除去後新しい部品を再ハンダ付け作業は難易度が高いわけです。製作時と同様にクリームハンダ付け作業も考えましたが リフロー炉およびヒートガンによる溶接は採用しておりません。従来の糸ハンダにによる溶接での修復です。
チップ型発光ダイオードを入手したときリールに巻いて供給されたものの切り売りを購入です。チップ型発光ダイオードはむき出しで動作しているため 取扱いに注意が必要です。LED単体にリード線を接続しようとしましたが ハンダ付け作業はうまくできません。複数個のLEDを破損させてしまいました。加工する前点灯試験しましたが間違いなく点灯します。ハンダごての熱でLEDが変形し故障となりました。これはこまったことです。もともとこの機種の発光ユニットは 自動ハンダ付け装置で加工されます。手作業でハンダ付けできるLEDではありません。手元には自動ハンダ付けの装置は所有しておりません。まずは不良のLEDを取り外さなければなりません。彫刻刀に似通ったカッターを準備しました。刃先で発光素子部を除去すると金属のプレートが残留します。この金属は半田ごてで加熱し除去します。その後プリントパターンに残ったハンダをハンダ吸引線を使って基板面を平らに加工します。ここで登場するのが 2液混合型エポキシ樹脂接着剤です。2液を混合した後 極少量をLED取り付け場所に一滴塗布します。その後新しいLEDを取り付け基板に密着するように固定します。張り付ける場合 LEDの極性を間違わないようにしないと間違った場合点灯しません。樹脂が硬化するまではしばらくお休みです。
上図は故障していたLEDを新しいLEDに交換したものです。通常に点灯させた場合非常に明るい光源であるため 直流安定化電源で約18Vを印可したときのLED光源です。今回交換したLEDは電球色ですので交換したLEDが黄色っぽく点灯しています。商用電源で点灯させた場合一部光方が変わりますが実用性には問題ありません。LED 本体の電極はプリントパターンにハンダ付け作業となりますが プリント基板は放熱板を兼ねており 電極は極小面積しか露出していません。こて先が細く発熱量もなければ正常なハンダ付けはできません。又糸ハンダも極細を準備しなければなりません。0.5mmΦ SN60-PB40 のやに入りハンダを準備しました。長時間のハンダ付けとなるとLEDが熱変形してしまい故障となります。複数個のLEDを壊してしまいました。最終的に隣のLEDと細いリード線で接続しました。通常LED光源の場合入力された電力のうち光として30~35%の効率です。残りの約70%の電力は熱としてLEDから発熱現象が発生します。そのためLEDを取り付けている基板が放熱板の役割をしており その基板はフレームである鉄板も放熱板の役割もしております。電球と異なるのは 発光ダイオードは半導体であり発光体の温度が上昇した場合故障原因となりますので放熱は重要な要素です。又放熱不良で寿命が短命となります。個人的には放熱板温度として50~60℃未満になることが必要と思います。このようなLED光源の場合 いかに熱を放出し冷却することを忘れてはなりません。現代の自動車ではLEDヘッドランプが普及してきました。LED光源を見ますと発光素子は大きな放熱板に取り付けられ なおかつ冷却ファンで強制空冷している発光素子(ヘッドランプ)も見かけます。
この照明機器の回路電流を測定した場合 150×3=450mA 以下で動作していると判断できます。照度切り替えは供給電圧を変化させています。
上図は別機種のペンダント型照明器具の故障品です。この機種は8分割のユニットで構成されており LEDは6個並列に接続され 16直列接続で動作しています。同じく8畳用の和風ペンダント照明器具の内部です。使用されているLEDは同じく SMD5730型を使ってありました。使用されている個数は 12×8=96個使用されていました。供給電圧は約56Vです。不良のLEDを交換した箇所はLED周辺が汚れているため判明できると思います。この機種では11個のLEDを交換しました。
上図は修理完了した発光部と右側スイッチング電源(AC-DCコンバーター)です。今回デジカメで撮影したときの照明用として活用しました。製造は 2014-12 製造品で約7年で不点灯となりました。不点灯となった個所は並列接続された6個のLEDが故障したためです。ほかのユニットでも一部不点灯のLEDがあったため交換しています。銘板には 100V 38W 50/60Hz 0.39A との表示です。この数値より力率は 約97.5%と解釈できます。採用されているAC:DC コンバーターは絶縁型ではありません電源部・LED部に手を触れた場合感電の恐れがありますのでご注意ください。感電事故の無いように安全作業をお願いします。
今回修復した照明器具の大半のLEDは現有品です。修理完了品とはいえ今後使用できる寿命は短いと思います。LED照明はパソコンのモニターにも搭載されています。バックライトはLEDです。5年ほど使用した状態で 青色の発光照度が低下しホワイトバランスが崩れました。バックライトのみ交換はできません。新規に24型モニターから28型モニターに交換しました。バックライトが点灯しなくなるのとは異なり 3原色のうち一色でも劣化すれば廃棄しなければなりませんね。おかげでお小遣いが目減りしてしまいました。
まとめ
電球型LED電球も故障は経験しています。玄関ホールに取り付けていた 100W型電球です。電球のカバーを取り外して内部構造を確認しました。口金部に放熱板があり円盤状に SMD5730型によく似たLEDが放射線状に配置されていました。白熱電球に似通った形状ですが 内部には電源部も搭載されており LED直列接続で供給電圧は DC:110V 以上の電圧です。100W型ですが消費電力は約14Wほどであり 発熱電球に比較して同じ照度であれば省電力仕様です。白熱電球は日本国内製造は各社終了しました。現在入手できる白熱電球は海外製造品です。蛍光管も同じような運命となりつつあります。
今回のようにLED照明機器を修理では LEDの載せ替えは 非常に難易度が高い部類と思います。材料調達を含め 新規購入がベストと思いました。交換したLEDはエポキシ樹脂で接着してあるため 肝心の放熱には多少条件が悪いと思います。購入後10年以上使用できた場合は天命を成就したと解釈し 新規購入してください。当初に比較して価格も安価となっています。寿命については ?
個人的な主観ですが 照明器具を選択する場合 一回り能力が上の照明器具を選び 照度可変機能で照度を落とした場合 LEDからの発熱は少なくなり寿命時間が長くなると思います。一番明るい照度の場合 LEDからの相当量熱が放出されます。今回故障した器具の構造を検証しましたが 照明器具の構造から冷却する機能はあまり良いとは思えません。
by 無銭庵 仙人
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